設立趣旨

 

1 趣 旨

戸山流居合道とは、老若男女がともに学べること、居合の技を磨きつつ、それを使うことなく平和共存を理想としていること、そのための人間性向上が最終目的であることなど、価値観の多様化した21世紀の高齢化社会に相応しい武道であります。その武道を通して、戸山流居合道会本部は、特定非営利活動法人京田辺市社会体育協会の一員として、社会教育・生涯教育ならびに青少年の健全育成の一翼を担っていますが、地域からさらなる活動を求められています。

戸山流居合道は、陸軍戸山学校剣術科長だった森永清先生が、戦後、京都府田辺町(現京田辺市)に在住して、戸山流居合を平和の時代に相応しい居合道に昇華されました。その偉業を後世に伝えるため、戸山流居合道会本部は、京田辺市内月読神社境内に『戸山流居合道発祥の碑』を建立しました。このような地道な活動が認められ、戸山流居合道会本部は、森永先生のご遺族から寄贈を受けて、森永流祖の遺品を数多く保管しています。しかし、任意団体では、日本刀等資産の名義人になれないことから、現在は、代表者個人を名義人としており、遺品類の安定的継承が万全とは言い難い状況にあります。そのため、名義人たりうる法人格の取得が喫緊の課題となっています。

また、戸山流居合道は、「大技で斬る」を特徴としており、試斬りに秀でていることから、石清水八幡宮や京田辺市月読神社、あるいは剣道大会等各種のイベントに招かれて、数々の演武を披露しています。戸山流居合道の迫力ある演武は、各イベントの知名度や集客力の向上に貢献していますが、後継者不足も課題となっております。

以上のことから、戸山流居合道会本部は、今後も戸山流居合道の精神や伝統を継承して、社会教育の推進、観光の振興、学術、文化、芸術又はスポーツの振興、子どもの健全育成といった分野で、地域に貢献していくためにも、継続的な安定した法人を組織することが必要となり、戸山流居合道の総本山として、「特定非営利活動法人戸山流居合道会本部」を設立したい所以です。

2 申請に至るまでの経過

戸山流居合道会本部は、昭和51年の「戸山流居合道振興会」創設(平成3年名称変更)以来、一貫して戸山流居合道の研鑽を通じて、地域住民の生涯教育、青少年の健全育成に取り組むとともに、森永流祖の墓所ならびに戸山流居合道発祥の碑の月々の清掃と墓参を欠かすことなく、務めてまいりました。

過去には、任意団体として活動していた本会が、将来にわたりより地域社会に貢献できる団体へと発展するために財団法人化による法人格の取得を検討した時期もありましたが、厳しい経済情勢の中、断念せざるを得ない状況でした。そうした中、平成10年に特定非営利活動促進法が施行されたことにより、法人格取得の道が改めて開かれました。

戸山流居合道会本部が特定非営利活動法人として法人格を取得し、社会的信用を確立することにより、日本の伝統と文化遺産たる戸山流居合道を確実に次世代に伝え、地域住民の社会教育の推進、観光の振興、学術、文化、芸術又はスポーツの振興、子どもの健全育成等といったニーズに応えていきたいと考えております。それが、流祖森永清先生の悲願でもあった『願以直心 傳次世代』にお応えする道と信じて、特定非営利活動法人戸山流居合道会本部を設立することとしたものです。

平成26年12月13日
特定非営利活動法人 戸山流居合道会本部
設立代表者 京都府京田辺市大住岡村89番地
守岡 正純